2017.05.29
創造工学部自動車システム開発工学科 山門誠教授は、公益社団法人自動車技術会より第67回自動車技術会賞論文賞受賞を受賞しました。
自動車技術会賞は1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績を認められた個人に贈られるものです。
◆対象論文
論文名:ステア特性を好適とする前後運動制御に関する基礎的検討
掲載誌:自動車技術会論文集 Vol. 47 No. 1
執筆者:山門 誠(神奈川工科大学)
印南 敏之(日立オートモティブシステムズ株式会社)
長塚 敬一郎(Hitachi Automotive Systems Europe GmbH)
◆受賞理由(概略)
本論文では運転が楽しいクルマの工学的理解の一助として、非線形性を考慮したタイヤの等価コーナリングスティフネスを用いた瞬時スタティックマージンで運転の各ステージの瞬時ステア特性を評価するという新たな概念を提案した。本手法を用いてドライバの運転動作を模倣する形で導出した、横運動に連係した加減速制御であるG-Vectoring Control (GVC)における車両運動力学的必然性を明確にしたと捉えることができる。本論文で得られた知見は、市販車にも搭載されるようになったGVCの必然性を明らかにしたものとして、論文賞に値する工学的な成果である。
◆受賞者コメント
本論文で公開したDistribution Plus Control(前後輪制動・駆動配分制御)など、まだ市販されていない車両運動制御技術が存在します。今後も、ヒトを中心に据え、クルマに乗っている人、全員の心に響く技術を世の中に届けていくために邁進します。