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DDSを利用した食品成分の標的組織への輸送とその効果について(管理栄養学科/バイオメディカル研究センター 教授 清瀬 千佳子)


DDSを利用して「薬」ではなく、「食品成分」を体内の必要な組織に集約して届けたいと思い、研究を進めています。その事で生活習慣病の一次予防が出来るのではないかと考えています。

管理栄養学科/バイオメディカル研究センター 清瀬 千佳子教授

ドラッグデリバリーシステム(DDS)とは、薬を必要な場所へ、必要な時間で届ける技術の事です。この技術によって薬の量が最低必要量で済む事が出来るため、副作用が少なくて済む事が利点になります。この技術は主にがん治療への助けになっています。しかし、この技術開発はまだまだ発展途上で、様々な所で研究が進められています。バイオメディカル研究センターでも新たな薬物送達素材としてシャペロニンタンパク質に着目して、研究を進めています。私はその中で、「薬物」ではなく、「栄養素」をこのシステムに乗せて必要な場所へ届けたいと考えています。

糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の改善は日本においても重要な課題であり、その改善について早急に取り組まなければなりません。生活習慣病の発症の大きな鍵は「肥満」であり、肥満が長期間続くと脂肪組織から単球走化性促進因子(MCP-1)が分泌され、白血球の一種である単球を呼び込みます。脂肪細胞に浸潤した単球はやがてマクロファージ化し様々な炎症性サイトカインを産生します。この炎症性サイトカインが血中を介して様々な組織に輸送される事で生活習慣病が惹起するのではないかと考えられています(図1)。私はこれまで栄養素であるビタミンEの一種、δ-トコフェロールに着目して研究を進めて来ました。その結果、炎症を誘導したマウスの脂肪細胞にδ-トコフェロールを添加すると脂肪細胞の炎症を抑制する事を見出しています1)。しかし、このビタミンは食事と同様に口から摂取すると吸収は出来るものの、肝臓に入った後、他の組織には輸送される量がすくなくなり、脂肪組織にはほとんど到達しないと考えられています。そこで、DDSを用いてδ-トコフェロールを血中に投与し、直接ある一定量、脂肪組織に送達させる事で炎症抑制作用を発揮できないかと、現在研究を進めています(図1)。このシステムができると、薬物だけでなく様々な食品成分も効果を発揮する組織に特異的に送達でき、さらなる疾病予防につながるのではないかと考えています。

1) C Kiyose, et.al., J. Oleo Sci., 70, 1307-1315 (2021)

図1

▼本件に関する問い合わせ先
研究推進機構 広報担当
E-mail:ken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp

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