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アズレンを含む新しい化合物の合成(応用化学科/生物有機科学研究所 教授 山口 淳一) 

アズレン(azulene)は7員環と5員環が縮合した化合物で、綺麗な青色を示します。古くからその色に興味が持たれ研究がされており、研究室ではアズレンを含む新しい化合物の合成を行っています。

カモミールなどハーブの精油が色を呈することは昔から知られています。その色の成分を分析すると7員環と5員環が縮環した化合物誘導体である事が分かりアズレン(azulene)と名付けられました。天然にはグアイアズレン(guaiazulene)が知られており消炎効果を示すことから、その誘導体はうがい薬や胃薬などの主要成分となっています(Fig.1)。一方、物理的性質が個性的なことを利用して、有機 ELや有機半導体などの新規材料としての研究も行われています。しかしながら、合成には困難を伴うが多くアズレンを含む新しい化合物の合成手法や合成の研究が行われています。

当研究室では、アズレンを含む新規有機反応の開発、それを利用した新規化合物の合成を行っています。最近ひょんなことから、アズレンにイノン部を有する新規化合物(ynone)を合成し、これに第3級アミンを作用すると、イノン部がエナミノン部に変換され化合物(enaminone)を与えることを見いだしています(eq.1)。1)これまでの研究を調べてみると、この反応は珍しいタイプの反応であるとわかり、さらに研究を進めました。しかも、反応元であるイノンは青色(アズレンの色に近いです)を示すのに対し、エナミノンは黄緑色を示しました。紫外-可視吸収スペクトルを測定すると、エナミノンは青色部分を特に吸収することが分かりました。このことは、補色である黄色が強くでることであり、青色+黄色で黄緑色を示すことが分かりました。さらにイノンやエナミノンがアズレンに置換している位置が異なると色も異なることも分かりました(Figs.2&3)。これらのアズレンを含む化合物群は、当研究室が初めて作った化合物群で、新しい機能を持っているかもしれません。例えば、エナミノン部をピリジン環に変換した化合物(pyridine)は、溶液では青色をしていますが、亜鉛イオンやリチウムイオンが共存すると色が変わることも見いだしています(eq.2)。マグネシウムイオンでは色が変わらないので、なぜそうなるのか?もこれからの研究課題です。

1) J. Yamaguchi and S. Sugiyama, Tetrahedron Lett., 57, 4514-4518 (2016).

応用化学科/生物有機科学研究所 山口 淳一教授


▼本件に関する問い合わせ先

研究推進機構 広報担当

E-mailken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp

 

▼関連するSDGs

3 すべての人に健康と福祉を

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