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食事を最後までおいしく口から食べることを目指して-食べものの力学的特性と食べやすさの評価-(栄養生命科学科 教授 高橋 智子)

高齢者に限らず、摂食・嚥下機能障害、すなわち咀嚼(咬むこと)することや飲み込むことなどの食べる機能に障害のある人たちが、口から食べることができる食事をどのように調整するかを中心に研究しています。

栄養生命科学科 高橋 智子教授

高齢者に限らず、摂食・嚥下機能障害、すなわち咀嚼(咬むこと)することや飲み込むことなどの食べる機能に障害のある人たちが、口から食べることができる食事をどのように調整するかを中心に研究しています。

ヒトは食事をするとき、最初に口蓋(うわあご)と舌で食物を圧縮(押さえる)することで、食物の力学的特性であるテクスチャー特性(硬さなど)を認知し、歯で咀嚼するか、口蓋と舌で圧縮して咀嚼するかを決めます。咀嚼した後、食塊(食べ物を飲み込みやすい状態にまでした粉砕し、唾液を混合したもの)を形成し、飲み込んでいます。

摂食・嚥下機能障害の方はこれらの機能が低下することで、咀嚼や嚥下(飲み込むこと)することが困難になります。ここでは摂食・嚥下機能障害の方が、窒息、および誤って気管に食物が入る誤嚥(誤嚥性肺炎を引き起こす最も大きな原因)することなく、安全に口から食べることができる食事形態についての研究に取り組んでいます。

そのアプローチとして取り組んでいるのが、食事形態とテクスチャー特性を代表とした食品の力学的特性との関係の検討です。これらの検討は、口から安全に食べることができる食物の探求において、重要なものとなります。もちろん、食事が不味いと食べたくなくなるので、そのおいしさは重要な要素となります。加えて、食事を刻んだり、均一ペースト状にしてゲル化剤(ゼリー状にする材料)を添加しゲル状にする、またはとろみ調整剤を加えてとろみをつけるなどの調理操作を行い、食事形態を調整することで障害のある人でも安全に口から食べることができるようになります。

これまでの管理栄養士や調理員による食事形態の調整は、自分の作業経験に基づいて調整していたところがあるので、いつも同じ程度の硬さやとろみがつけられた食事の提供がされているとは限りませんでした。ところが摂食・嚥下機能障害のある方にとっては、いつも最適な状態の食事形態に調整して供食できないと誤嚥、しいては窒息などが起こることがあります。そこで、重要になるのが摂食・嚥下機能障害のある方が安全に口から食べることができる食事形態を客観的に数値化し、誰が調製しても同じ状態の食事が調整できることです。その手法として、食品の食感(硬さ、べたつき感など)を客観的に数値化し、調整方法を規格化することで、誰もが同じ食べやすさの食事形態を調整できるようになるのです。

そこで本研究室では、安全に食べることができる摂食・嚥下機能に対応した食事形態と、食品の力学的特性との関係を検討し、得られた情報を管理栄養士や調理員等に報告し、介護の食の現場で役立ててもらっています。同時に食品メーカーとの共同研究により、軟らかく食べやすいパン、お粥、食物繊維が多く咬みにくいごぼうなどの根菜類を含むゼリー食などの開発も行っています。

本研究室には食品の力学的特性を測定する機器が充実していますので、介護食、嚥下困難者食の力学的特性を検討する研究を詳細に行うことができます。また、ヒトの食べやすさについては、咀嚼・嚥下時筋電位、超音波エコーによる測定は本研究室固有設備で評価しています。また、嚥下の様子をX線で観察する嚥下造影検査(図1)、および嚥下後の咽頭付近を観察する嚥下内視鏡検査(図2)は、耳鼻咽喉科医師との共同研究で行っています。

図1 嚥下造影検査

図2 嚥下内視鏡検査

※応用バイオ科学部栄養生命科学科は、2020年度に健康医療科学部のもとに再編します。また管理栄養学科に名称を変更します。

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