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様々な色に変化する新しいアズレンの合成研究(応用化学科/生物有機科学研究所  教授 山口 淳一)

応用化学科/生物有機科学研究所 山口 淳一 教授

アズレンは綺麗な青色を示しますが、少し構造を変えると赤・緑・紫などに変化します。新しいアズレンが新しい色を示すなどの研究を進めれば、新しいアズレンが光学材料となる可能性を示しています。


昔カモミールなどのハーブから蒸留によって採れる精油は青色となることがしばしばありました。19世紀になり有機化学者は青色の正体を分離、構造を突き止め、その基本骨格をアズレン(Azulene)と名付けました(図1)。また、アズレンを基本骨格とするアズレン誘導体は「消炎効果」を示すことから、「うがい薬」や「胃潰瘍の薬」として用いられています。また、ある種のアズレン誘導体は、半導体に似た性質を示すことから興味が持たれ、新しいアズレン誘導体の合成が試みられています。

当研究所の「有機合成化学研究室」では、このアズレンを基本骨格とした新しい有機化合物の合成に取り組んでいます。例えば、アズレンを含むイノンと呼ばれる化合物に第三級アミンを加えるとエナミノンと呼ばれる化合物に変換されることを見いだしました(図2)。この反応事態もは珍しい反応であり、これらの結果は学術論文にも掲載されました(J. Yamaguchi, Tetrahedron Lett. 2016, doi/10.1016/j.tet.2016.08.094)。

またこの化合物は置換する位置によって色が異なるのが特長であり、例えば、1位だとと赤色、2位だと黄緑色、6位だと明るい緑と、異なる色を呈します(図3)。また、異なるアズレン誘導体も合成しました。鈴木先生(2010年ノーベル化学賞受賞)が開発したSuzuki Couplingを利用して、図にあるような新規化合物を合成しました(図4)。この化合物は溶液中では青色を示していますが、酸性溶液では色が変化します。一方、種々の金属イオンを添加すると亜鉛イオンと鉛イオンだけが変色する現象も見つけています(図5)。このような現象は、新しい電子素材の基になったり、目視による金属イオン検出法の開発につながる「研究の芽」として、大きく育つよう日々研究しています。

▼本件に関する問い合わせ先

研究推進機構 広報担当

E-mailken-koho@ccml.kanagawa-it.ac.jp

 

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