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スロー再生カメラによる血液回路アクセスポートからの飛散状態把握(臨床工学科 鈴木聡教授)

血液回路からの採血操作において、微量の血液が飛び散る様子を視覚的に捉えることにより、感染予防を目指します。

臨床工学科 鈴木聡教授
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血液透析は末期腎不全に対する腎臓の代替療法として広く普及しています。血液透析では血液を体外循環させ、血液の浄化および水分除去を行う治療法です。

体外循環では、血液の通り道として血液回路(血液を流すチューブ)を用いますが、この血液回路には"採血"や "投薬"を目的とした「アクセスポート」があります.回路の仕様により異なりますが、患者の血液を取り出した直後の部分と、血液を浄化した後の部分にあるのが一般的です。以前はアクセスポートに金属針付注射器を刺すことにより採血を行っていましたが、採血後の針を医療スタッフが刺してしまう事故がしばしば発生していました(刺してしまうことにより医療スタッフが血液感染してしまいます)。

現在の透析用血液回路は針刺し事故防止のためほとんどニードルレスアクセスポートになっています。これは針の付いていない注射器を使ってポートに挿入すると、挿入時のみ弁が開いて血液回路内から採血などができる構造になっているものです。これにより医療スタッフの針刺しリスクは低減しましたが、注射器をポートに挿入および抜去する際,微量ながら血液の飛び散りを経験する(特に抜去時)ことがあり、これに関しては改良が必要です。各血液回路(ポート)の製品特性や手技,回路内圧などによって飛散の状況は異なると思われるが,そもそもどのような飛び方をするのかという点について,短時間の様子を把握することは,あまり行われていませんでした。

そこで我々は,採血を模擬した実験的状況下でスロー再生カメラ(ハイスピードカメラ)用い,短時間内におけるポートからの飛散の様子を捉え、その有用性について検討しました。これまでの検討では、回路内の圧力が高いほど(回路内圧が400mmHgでは、ほとんどの製品で内液の飛散を確認)、また、注射器内に空気(気体)が存在する状況下では特に飛散しやすいことが確認されています。近々、臨床にスロー再生カメラを持ち込み、患者に穿刺する瞬間など、血液の飛散が危惧される瞬間を捉える試みを行うことを計画しています。これらの成果は感染対策を目的とし、血液回路のポート設計要件や、臨床における操作(手技)について提案できることが期待されています。

臨床工学科 鈴木研究室 紹介ページ

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