皆川正明客員研究員ら5名が第76回自動車技術会賞論文賞受賞
本学、客員研究員の皆川正明、特命教授の芝端康二、大学院客員教授の山本真規、客員研究員の狩野芳郎、名誉教授の安部正人は、公益社団法人自動車技術会より第76回自動車技術会賞論文賞を受賞しました。自動車技術会賞は1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績を認められた個人に贈られるものです。
対象論文
| 論文名 | 高速走行時車両挙動減衰性向上手法の研究 |
|---|---|
| 掲載誌 | 自動車技術会論文集 54 巻 6 号 |
| 執筆者 | 皆川 正明 (神奈川工科大学) 芝端 康二 (神奈川工科大学) 山本 真規 (神奈川工科大学) 狩野 芳郎 (神奈川工科大学) 山門 誠 (神奈川工科大学) 安部 正人 (神奈川工科大学) |
受賞理由
従来、多自由度車両モデルを用いた車両運動減衰性評価には、最も長く残る振動成分を表わす「卓越根」の値だけで判断する簡便法が使われてきた。しかし筆者らは手間がかかる厳密計算を実施し、簡便法には今迄誰も指摘しなかった重大な問題があることを明らかにした。即ち、操安性に重要とされる操舵直後の収束性には、より素早く収束する振動成分を表わす「非卓越根」と、その寄与の大きさを表す「部分分数伝達関数分子」の評価が不可欠であり、「卓越根」だけでの評価では全く不十分な場合がある事を示した。この手法を用いて、現実のドイツ車に特有のサスペンション設定は、高速域(〜220km/h)での減衰性向上効果が著しいことを明らかにした。本内容は振動工学における未着手の領域ともいえる画期的な研究内容であり、その理論が現実の車両評価にも有効であることを示した。よって本論文は工学的にも工業的にも極めて高く評価される。
皆川客員研究員のコメント
本論文は、多自由度車両モデルの減衰性評価法として慣習的に定着している「分母の卓越根だけ」による評価には問題がある事を、古典的伝達理論解析だけを用いて示しました。慣行となっている手法であっても、妥当性が必ずしも証明されていない場合もあることを、肝に銘ずる必要がある一例だと思います。多自由度車両モデルの減衰性評価については、理論的に解明し尽くされ周知されているとはいえず、明解な理論体系を構築する仕事が残っていると思います。本研究が、既存の評価法や定説を改めて見直す契機となれば幸いです。今後も可能な限り、この領域に取り組んでいければと思います。
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第76回 (2026年)公益社団法人自動車技術会 授賞式にて











