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【開催報告】特別講座「デザイン×ロボット ― デザインが拓く ヒトとロボットの未来」

先進AI研究所では、先進的なAI技術の研究・開発に取り組み、その成果をロボット技術などへの応用にも広げています。今回はロボットのデザインに焦点を当てた特別講義の様子をご紹介します。

2025年11月17日(月)、神奈川工科大学 KAIT TOWNにて、研究推進機構 先進AI研究所(所長:三枝亮准教授/情報システム学科)と地域連携・貢献センター(センター長:小川喜道)が主催した特別講座「デザイン×ロボット ― デザインが拓くヒトとロボットの未来」を開催いたしました。

図1 髙橋氏を囲んだ講義の様子

ゲスト講師には、国際的に活躍するデザイナー・髙橋正実氏(MASAMI DESIGN)をお迎えしました。髙橋氏は、ユニバーサルデザイン、ブランディング、パッケージ、企業や国の未来構想など幅広い領域に携わり、社会・産業・地域をつなぐデザインを実践されてきました。

2025年9月には、デザイン界の最高峰とも称される「Compasso d'Oro International Award 2025」を受賞されたばかりの髙橋氏。受賞作「Physical Care Robotic Bed "HANARE"」についても、そのプロジェクト背景や造形哲学を語っていただきました。 

図2 髙橋正実氏

また、講演では、パッケージデザイン、企業や国の未来構想の可視化など、髙橋氏がこれまで手がけてきた「視えるデザイン」と「視えないデザイン」の実践が紹介されました。活動初期に取り組んだ特殊印刷・特殊加工による点字カレンダーの開発については、まだユニバーサルデザインという言葉が広まる以前で、理解が得られにくい時代の挑戦であったにもかかわらず、「社会のデザイン」という視点を持ち、試行錯誤を重ねながら多くの人に実際に触れてもらうことで、新たな気づきや意識の広がりにつながっていった経験が語られました。また、使う人の立場に寄り添うことや、社会の仕組み・環境まで含めて発想するデザインの考え方が紹介され、デザインする重要性など、デザインが日常や社会をより良い方向へ導く力を持つことを実感できる内容となりました。

図3 髙橋氏が取り組んだ点字カレンダーキューブ

髙橋氏は、本学 地域連携・貢献センターの小川センター長と長年親交があり、小川センター長が中心となって開発した「浮き出し文字(触れて読める室名サイン)」の制作にも関わってこられました。この浮き出し文字は、本学情報学部棟やKAIT TOWNの室名サインとして採用されており、視覚障害のある方にも読みやすいデザインとして活用されています。

図4 KAIT TOWN内で使用されている浮き出し文字

講義では、学生からのさまざまな質問にも丁寧に答えていただきました。生成AIで誰でも簡単にイメージ画像を作れてしまう現代、デザインをどう考えるかという学生からの質問に対する「技術が進んでも、人間が積み重ねてきた社会との接点や目線、日々のニュースから生まれる具体策、信頼の積み重ね、得意分野を持つ人と出会うことで一番遠くまで飛んでいけるような部分には、最先端の技術でも置き換えられない力がある。AIに仕事を奪われることを必要以上に恐れなくても大丈夫。」というメッセージも印象的でした。今回の特別講義では、参加したタイやマレーシアの本学協定校からの研修生からも質問が寄せられ、活発な意見交換の場となりました。

図5 海外協定校研修生とのやりとりは三枝准教授が英語で通訳

続く学生によるロボットデザインの紹介では、三枝研究室の学生が、開発中の介護・医療・福祉支援ロボットを示しながら、利用者が使いたくなるデザインについて相談しました。これに対し髙橋氏からは、すべてに共通するデザインの基本的な考え方や、多様な立場に立って、"ちょうどぴったりはまる"デザインを探る視点、プロジェクトを進めていくなかで「こんな素材があったらいいな」という発想が新しい仕事や表現につながっていくことなどについて助言がありました。そうした自由な発想を続けていけば、卒業する頃には自然と身についていくのではないか、と学生に向けてエールが送られました。

図6 介護施設等で利用者が夜によりよく眠れるよう日中の軽眠から優しく起こしてくれるロボット(三枝研究室)

デザインと工学の深い関係に目を向けた今回の講座は、参加した学生たちに新しい発見をもたらす貴重な学びの機会となりました。

図7 ゲスト講師・髙橋氏と受講者

単語解説

※コンパッソ・ドーロ(Compasso d'Oro)
「ADI(Associazione per il Disegno Industriale、イタリアインダストリアルデザイン協会)」が運営する、最も歴史と権威がある国際的なデザイン賞。受賞作はイタリア・ミラノにある「ADIデザイン・ミュージアム・コンパッソ・ドーロ」に永久保存され、イタリア文化省より国家遺産として認定される。

https://www.asahi.com/and/m/article/15818690

関連リンク

髙橋正実 MASAMI DESIGN
三枝亮 人間機械共生研究室(SybLab)
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