Exhibition of Flow Wonder 流れのふしぎ展
第30回 流れのふしぎ展 30回目の節目を迎える
神奈川工科大学 石綿良三
2025年8月23日(土)~8月25日(月),日本科学未来館(以下、未来館)で日本機械学会流体工学部門(以下、流体工学部門)と神奈川工科大学の共同開催「第30回流れのふしぎ展」が開催されました(写真1). 3日間にわたり,体験型展示(自由見学),工作教室,サイエンスショーを行い,おおよそ2,000名の方々にご来場いただきました.小さなお子様から大人まで,空気や水のふしぎな現象に触れていただき,多くの驚きと発見があったようです.スタンプラリーで5つ以上スタンプを集めるとグループに1冊「流れのふしぎ」(石綿・根本著,講談社ブルーバックス)をプレゼントしました.3日間で200部ほど配布しました.家に戻ってこちらの本を読みながら体験した実験を思い出し,流体力学をはじめとした科学に興味を持っていただければと思います.

写真1 ようこそ流れのふしぎ展へ

写真2 受付ディスプレイ
1.体験型展示
体験型展示はメインの企画であり,空気や水を使ったふしぎな実験を体験していただき,流体力学(気体と液体を扱う)や科学への興味と理解を深めてもらうことをねらいとしています.実験と言ってもゲームや遊び感覚でできるものばかりです.お子さんだけではなく大人も夢中になって楽しんでいただけたようです.
以下の13の展示コーナーを用意しました.各コーナーを体験するとスタンプを押してもらえ,それを集めて記念品をゲットできます.
以下に参考のため,実験動画のリンク先(日本機械学会流体工学部門HP:
楽しい流れの実験教室)も示しました.

写真3 浮沈子
(1)浮沈子(写真3)
ペットボトルを握る力を変えると中の浮沈子が回転しながら沈んだり,浮いたりします.工作教室ではこのおもちゃを作りました.

写真4 コーナーキック

写真6 水の加速

写真5 トルネード

写真7 何個浮く?
(2)コーナーキック(写真4)
発泡スチロールのボールに回転をつけて打ち出す道具で,コーナーから直接ゴールを目指します.
うまく打ち出すとノーバウンドで直接ゴールすることができます.ゴールできると大喜びです!
(3)トルネード(写真5)
2つのペットボトルをつなぎ,穴を貫通させています.中の水に回転を与えると,竜巻のような渦ができます.
その美しさに見入る人たちもいました.
(4)水の加速(写真6)
水の入ったペットボトルに発泡スチロールと銅の球を入れておきます.テーブルの上でこれを動かすとどうなるでしょうか?
重い銅球はおいていかれますが,発泡スチロール球は? スタッフの説明に熱心に聞き入る場面も多く見かけました.
(5)何個浮く?(写真7)
サーキュレーターの風の中に風船や発泡スチロール球などを何個浮べられるか,チャレンジします.最高記録は6個でした.
家族総動員で一生懸命に投入する人たちもいて,熱中になっていました.

写真8 3個のボール

写真10 にょろにょろ

写真9 ななめに浮く風船

写真11 ボールを取り出す
(6)3個のボール(写真8)
サーキュレーターの風の中に3個の発泡スチロールボールを浮べます.ボールはお互いにカチカチとぶつかり合いますが,
外には落ちないのです.多くの人がふしぎな体験をしたようです.
(7)ななめに浮く風船(写真9)
サーキュレーターの風をななめ上向きに吹き,風船を浮べます.高く上がるので,思わず背伸びをしてつかみたくなるようです.
(8)にょろにょろ(写真10)
大小の発泡スチロールボールをつなげたものをドライヤーの風で浮べます.まるで生き物のような動きに見とれている人も多くいました.
(9)ボールを取り出す(写真11)
アクリルパイプの中にあるボールをドライヤーの風で取り出すゲームです.浅いところにある場合は簡単に飛び出します.
ところが,深いところにある場合は苦戦していました.「トルネード」が解決のヒントです.

写真12 5枚の円板

写真13 ボールの引っ越し

写真14 ただよう丸い紙
(10)5枚の円板(写真12)
アクリルの筒に入った5枚の発泡スチロール円板をドライヤーの風で取り出すというゲームです.
ともかくいろいろな方向から風を当てると出てきます.ストレス発散に役立ちます.
(11)ボールの引っ越し(写真13)
アクリルパイプの上に置かれた発泡スチロール球をドライヤーの風で別のアクリルパイプの中に落とすゲームです.
風で飛ばして入れようとしてもうまくいきません.答えは?
(12)ただよう丸い紙(写真14)
大きな筒の中に丸く切った紙を落とします.筒とのすきまが小さいので幻想的にゆっくりと落ちていきます.
紙をななめにして落としても水平になって落ちていきます.
スタンプラリーは5つのスタンプを集めれば記念品をもらえますが,大多数の人は全部の体験をしていきました(記念品は200冊用意しましたが多数の来訪があり,終了近くにはなくなってしまいました.もらえなかった人には申し訳ありませんでした).
お子さんも大人も夢中になってチャレンジしていただきました.ふしぎな現象がなぜそうなるのかという質問もたくさんありました.皆さんに興味を持ってもらえ,良かったです.
2.工作教室
回転する浮沈子(写真3)の工作教室を行いました.参加いただいたお子さんはおよそ120人でした.小さいお子さんはご家族に手伝ってもらいました.
まず初めは,中に入れる浮沈子作りからです(写真15).できたら中に水を入れ,水の入ったペットボトルに入れて(写真16)できあがり.強く握ると回転しながら沈み,力をゆるめると浮き上がります.自分が作ったものがうまく浮き沈みすると大喜びです.できたものはお持ち帰りです.

写真15 まずは浮沈子作り

写真16 できたら水を注入
3.水の実験
体験型展示の一角で水のデモ実験を行いました(写真17).題材は以下の通りです.
(1)トルネード
体験型展示にあるトルネードを実演し,解説しました.
(2)水の加速
体験型展示にある水の加速を実演し,解説しました.

写真17 実験風景
(3)水運び
ペットボトルを切って作ったコップを2つ用意しました.
一つはひもでつるせるようになっています.水を入れてゆさぶると,ひものない方は水がぱしゃぱしゃとこぼれます.
ひもでつるした方はめ ちゃくちゃに振ってもこぼれる気配はありません.
(4)落ちない水
コップに水を満たし,コースターでふたをします.これをさかさまにしても水は落ちません.
(5)外科手術(写真18)
ペットボトルの中にあるもじゃもじゃを取り出します.
4.サイエンスショー
流れを使ったふしぎな実験の数々をお見せしました.中には大掛かりなものもありました.日によっては立ち見も出るほどの盛況で,皆さんに喜んでいただけたようです.
風船上げ,ボールを筒から取り出すは体験型展示にもあるものです.参加者にチャレンジしてもらいました.翼の原理は実演を交えて解説を行いました.最後に大だこ上げです.天井高く真上に上げてから,会場上空に移動させていくと歓声が起こりました.♪子供たちが空に向かい両手を広げ~♪
実験だけではなく,原理の説明も行いましたが,皆さんにはその説明をよく聞いていただけました.熱心な姿勢が伝わってきて,思わず話が長くなる場面もありました.

写真19 満員御礼

写真21 ボールの取り出し

写真23 大だこ上げ

写真20 風船上げにチャレンジ

写真22 翼の原理

写真24 大だこ上げ
5.振り返って
流れのふしぎ展は,その前身である流れと遊ぶアイデアコンテストとして1995年にスタートしました.流体工学部門と神奈川工科大学の共同企画です.1995年~2003年までは神奈川工科大学を会場に,ウインドカー,噴水,ドルフィンジャンプをテーマにアイデアを競いました.
2004年,第10回の記念大会として会場を未来館に移し,現在に続く体験型展示を中心とする「流れのふしぎ展」へと変貌しました.この年は未来館入口にあるジオコスモ下のシンボルゾーンで開催できましたので,入館者のほぼ全員が見学,体験することとなり,2日間で6000名を超える参加を得ました.以来,毎年8月に未来館で開催する恒例行事となりました.
歳月が過ぎ,2020年はコロナ禍に見舞われて中止,2021年は未来館の使用ができず静岡科学館で規模を縮小して開催,2022年以降は未来館に戻り少しずつ当初の規模に回復していきました.2025年に第30回を迎えることができました.
30年間続けて来られたのは,機械学会と神奈川工科大学からの助成があったことによりますが,それにも増して歴代の数多くのスタッフの献身的な協力によるところが大きかったと思います.改めまして,日本機械学会流体工学部門,神奈川工科大学,歴代のスタッフ(延べ100名近く)に心から深く御礼申し上げます.今後も継続して,より多くの方々に楽しんでいただけるイベントとして,科学の普及に貢献できるよう努力してまいります.
写真25と写真26は今回のスタッフ集合写真です.途中で大だこの乱入がありました.
なお,今後の運営のため一般の方からもボランティアスタッフを募集しております.事前の専門知識は必要ありません.関心のある方は,流体工学部門までお問い合わせください.
問い合わせ先: 部門ネットワーク担当 net-admin@jsme-fed.org

写真25 スタッフ集合写真

写真26 大だこ乱入












