神奈川工科大学 健康医療科学部

工学部臨床工学科、応用バイオ科学部栄養生命科学科、看護学部看護学科の3学科は、2020年4月に健康医療科学部のもとに再編しました。
健康医療科学部は、理工系大学の利点を活かし、国家資格取得+αの教育と研究を展開します。また、今後のチーム医療に向けて、3学科の学生が共に学ぶ交流の場を考え、コミュニケーション力や協調性を高めていく環境づくりをめざします。

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工科大学に国家資格対応学科を設置する理由

工学系の大学が何故、管理栄養士、看護師・保健師、臨床工学技士など、栄養分野、保健分野の学科を設置するのだろう?このような疑問を持たれた方は少なくないと思います。
この4つの資格は、ご存知のようにいずれも国家資格であり、大学等の勉学で受験資格を得て、毎年1回行われる国家試験で合格ラインを超えないと資格を取得することができません。ここで、該当する国家試験問題を見てみますと、いずれも理系分野の知識を必要とすることが分かります。化学、生物、物理、数学に関連する知識、思考力の有無を問う問題です。当然のことながら、大学で学ぶ科目等も理系分野が多く設置されています。このように考えますと、理系大学が上記の学科を設置してこなかったことの方が、不思議に思えてきます。
理系の基盤教育を行い、実験研究を行ってきた理工系大学である本学は、本学既存の工学、情報学等との連携をしながら、これからの看護師・保健師、管理栄養士、そして臨床工学技士の養成を進めていきたいと考えたことが設置の理由です。

学部長からのごあいさつ

世界は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の未曾有の脅威を経験しました。2023年3月の時点で、全世界で7億に近い人が感染し、680万人の方が命を落とした言われています。第2次世界大戦以降、人類に対する最大の脅威となりました。このコロナパンデミック、経済、社会生活のありようを変える大きなインパクトになり、学生諸君の学修のあり方にも変化が生じました。全世界で医療人が協力して、本感染症をさまざまな側面から科学的に解明し、正確な診断法、重症化の予測、有効な治療薬開発に力が注がれました。なかでもこれまでになかったmRNAワクチンという新しいタイプのワクチンの開発が、人類には大きな福音になりました。幸運にも日本では感染者数が安定しており、感染症法上の位置づけについて、政府は2023年5月8日に、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針です。新型コロナウイルス感染症は新たな局面を迎えることになります。
これまで日本の医療は画期的な発展を遂げてきました。しかし、今回、全世界が経験したようにまだ克服が難しい疾患があります。現代の医療は決して1人のスタープレーヤーで実践できるものではありません。難しい疾患に立ち向かうためには、多くの医療の側面を支えるチーム医療が大切です。健康医療科学部はチーム医療を支える有為な人材の育成に全力を傾けます。
また、医療分野では、DX(デジタルトランスフォーメーション)化がめざましいスピードで進行しています。医療DXでは、データとデジタル技術を駆使して診療・治療などのプロセス、医療組織、医療を取り巻く文化・風土を変革し、医療上の難問を解決することが進められています。医療の情報化は、今後の医療を考える際に不可欠な要素です。情報分野は、我々の大学の最も得意とするところです。ぜひ、この分野についても学んでください。
各学科とも国家資格取得を目指すのみならず、難局にも粘り強く対応できるようなプラスα能力を開発できるよう特色ある教育を進めています。ぜひ、健康医療科学部のめざす理念に賛同し、日々研鑽し、余人をもって替え難い人といわれるよう、若いエネルギーを傾注してください。これからの医療を支える皆さんに期待します。

2023年4月

健康医療科学部 学部長
馬嶋正隆

2020年4月から神奈川工科大学健康医療科学部学部長。1996年北里大学医学部薬理学主任教授、2014年北里大学大学院医療系研究科研究科長、2016年北里大学副学長(研究・国際交流担当)。1996年北里柴三郎記念賞、2006年秦藤樹博士記念学術奨励賞。日本薬理学会監事、日本炎症再生医学会理事、日本リンパ学会常任理事、日本微小循環学会理事歴任。

健康医療科学部 学部長 馬嶋正隆

多職種連携教育を進めています

医療の高度化に伴い医療従事者の業務が増大し、より質の高い医療を実現するために多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」が推進されています。

医療職を養成する神奈川工科大学健康医療科学部では、学生諸君にこのチーム医療の重要性を理解してもらうために「多職連携教育Interprofessional education IPE」を進めています。英国のCAIPE(Centre for the Advancement of Interprofessional education)は、IPEを「複数領域の専門職が連携し医療の質を高めるために、同じ場面でともに学び、お互いから学びとりながら、お互いについて学ぶこと」と定義しています。

健康医療科学部では、これまでの座学のチーム医療教育に加え、2021年度から、3学科連携のグループ教育活動を進めています。

2023年度 健康医療科学部3学科多職種連携教育 特別授業、グループディスカッション

開催日時 2023年8月9日(水)2限~4限
開催場所 神奈川工科大学 K-3号館
3506、3405、3503、3505、3601、3606 教室
プログラム
  1. 学部長挨拶
  2. 授業の目的と目標
  3. 特別講義 -専門連携のあり方 各職種の立場より―
  4. 症例検討のための症例提示
  5. 症例検討(3学科学生による小グループのグループディスカッション)
    ファシリテーター;各学科の専門教員
  6. 総合討論、総括
  7. 閉会の挨拶

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