MECHANICAL ENGINEERING
工学分野の原点ともいえるのが機械工学分野。自動車や家電など身近なものから、ものづくりを支える産業用機械、また近年ではロボット、エネルギー、宇宙開発など新たな分野でも引き続き高い存在感を示しています。カバーする領域の広さとともに、機械工学の強みとなるのが、ハードウェアの設計・開発に強いところ。近年はIT技術の進化とともに、ソフトウェア開発が注目されがちですが、ハード/ソフトの両面を学んだ機械工学出身のエンジニアは、あらゆる領域での活躍をめざすことができます。
自動車/航空機機械設計ロボット宇宙開発工業デザイン家電/工業製品金属加工力学新素材エネルギー
メカトロニクス/感性工学/太陽エネルギー利用
新しいヒューマンインターフェースを装備した、人に優しいメカトロニクス製品を開発しています。例えば、運動と振動の解析・制御の研究から、幼児を交通事故から守るアクティブチャイルドベッドの開発、再生可能エネルギーを有効駆動するための上部集熱式熱サイホンの制御システムの開発などが主な研究テーマです。
専門知識以外に身につけるべきことはなんですか?
広い視野で物事を考えられる教養と、新しい製品やシステムを開発できるエンジニアの素養を、本専攻で身につけてください。社会に技術を受け入れてもらうために、専門科目以外の教養科目、知的財産権、発想法に関連した科目などもしっかり学んで欲しいです。
これからどんなエンジニアが活躍すると思いますか?
新しい技術を開発して社会に役立てていくには、新技術を受け入れてもらえるよう社会と対話し、社会の制度を変えていかねばならない時代になりました。そのために、新技術を開発するための基盤となる基礎理論に加えて、社会の仕組みを理解して社会に働きかけられる技術者が必要だと考えます。
社会で活きる学びを得るためにどんなことしたらいいですか?
社会でどのように活躍、貢献していくか考えて、目標を持ってください。そしてその目標に向かって、自分を高めるために大学を活用してほしいと思います。
流体工学/自然エネルギー利用工学/寒冷地設営工学
環境エネルギー分野において主に着氷雪関連テーマが主な研究です。例えば雲や霧を構成する微小水滴は、寒冷期に過冷却状態となり、雲の中に突入した物体に衝突すると瞬時に氷になります。こうした氷や雪が、航空機、風車、架空電線などに発生すると本来の機能が劣化するため、対策案を追求しています。
この分野の面白いところを教えてください。
非化石燃料による駆動や自動運転などがさらに身近なものになる自動車にしても、生活から切り離せないスマートフォンにしても、機械工学と結びつかないものはありません。機械工学の進歩が社会を変え、同時に社会の変化を受けいれて機械工学自体が変化することもあります。
この専攻の特徴を教えてください。
特別専攻担当教員のみから指導を受けるわけではなく、機械工学科全員の教員と関わりを持ちます。機械工学と聞くと油が飛び散る工作機械を想像するかもしれませんが、実際には世の中のあらゆるものに関連する学問体系です。自動車やロボットだけでなく、医療、音楽、美術なども研究の対象となります。つまり、何についても学べ、研究することができる専攻です。
専門知識以外に身につけるべきことはなんですか?
理工系以外の分野にも目を向けて、幅広い教養を身につけるべく努力してください。
文学、歴史、音楽、美術・美学・・・たくさんあります。いろいろな人と、いろいろな話題で楽しく語らえることはとても素敵なことですから。
燃焼工学/数値シミュレーション/環境
主な研究テーマである「燃焼」は、工業機器の動力として、また材料加工の熱源として幅広く利用される一方で、地球温暖化の原因となるCO2や大気汚染物質であるNOx、PM等の排出が問題となっています。炎のさまざまな特性を調べ、環境負荷の低減や効率のいい燃焼器の開発につながる知見を得ることをめざしています。
これからどんなエンジニアが活躍すると思いますか?
機械工学の基礎となる知識が身についたうえで、考える力を持ったエンジニアだと考えます。これまで人の手で行ってきた地道な作業はAIやロボットなどが担うことになり、エンジニアは今後より「考えること」を求められるでしょう。
この分野の技術は社会をどう変えていきますか?
現在、地球温暖化が世界的に問題となっています。機械工学で扱うエネルギー分野では、温暖化の原因とされている二酸化炭素排出の低減をめざす研究が多く行われており、より環境にやさしい社会へ変えていけるものと考えています。
専門知識以外に身につけるべきことはなんですか?
研究開発・設計から製造までを一人で行うことはまずありません。そのため、大学の間に教員、学生、その他多くの人と関わりを持つなかで、コミュニケーションやチームワークのスキルを身に着けてほしいと考えます。